愛かわらずな毎日が。
目を閉じれば浮かんでくる。
ふんわり巻いて、後ろでひとつに束ねられた栗色の髪。
狭すぎず、広すぎず、かたちのよい額。
長いまつ毛と艶やかな唇。
黒いニットに黒い細身のパンツ、ライトグレーのチェスターコートを羽織り、有名ブランドのバッグを手に立つ姿は、まるでファッション誌の1ページを切り取ったみたいだった。
「綺麗な、……かわいらしい人、でしたね」
そんな人を目の前にして、平気な顔をしていられるわけがない。
落ち着いたはずの心臓が、またドクドクと動きを速める。
「愛ちゃん、……あのさ、」
「ストップ、です」
「………、」
佐伯さんが何を言おうとしたのか、定かではないけれど。
多分そうじゃないかな、って思って待ったをかけた。
箸を持つ手に力が入る。
コクリとのどが鳴る。
「いろいろと知りたい、って気持ちはあるんですけど。でも。福元さんの口から聞きたいっていうか。聞くべきだと、……そう思って」
「うん。ごめん」
「いえ。なんていうか、……すみません」
食べかけの牛丼に視線を落とし、小さく息を吐き出した。
「だけど。ひとつだけ確認させてください」
「うん」
「あの人は、………福元さんの。
福元さんが付き合ってたひと、ですよね」