愛かわらずな毎日が。

「………ちゃん。姉ちゃん、」


「あ…っ。ごめん」

慌てて数枚のふきんを渡すと、真斗は、テーブルの上を拭きながら、

「なに。どうしたの」

を連発する。


「………べつに、なにも。」

「なにも、って。そんなわけねぇじゃん」


「ほんとだってば。なんでもないの。ちょっと、考えごとしてた。大したことじゃない、っていうか。ほんと、なんでもないよ」

そう言ったら、真斗は、

「ふぅん」

とだけ言って私にちらりと視線を向けたけど、それ以上はなにも訊いてこなかった。


だって。

今まで真斗と恋愛の話なんてした記憶はないし。

話したら、きっと苦しくなるし。


「あぁ、そうだ。ももを公園に連れて行ってあげなくちゃね。
ごめん、もも。お待たせ」

ひょいと、ソファに座る桃奈に視線を移した。


「……あ。」


ソファの上でころんと横になった桃奈は、体を丸め、絵本を持ったままスヤスヤと眠ってしまっていた。


「静かだと思ったら、」

と、立ち上がった真斗に、

「和室に布団敷いてあげるから、真斗も一緒に昼寝したらいいよ。
ももが起きたら、公園に連れて行くし。ゆっくりしてなよ」

そう言ってその場を離れた。


なんだか。

今もまだ。


胸の奥がザワザワと騒がしい。


私が勝手に不安になってるだけで。

勝手に悩んでるってだけで。


福元さんが悪いわけでもないのに、胸がチクチクと痛む。

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