愛かわらずな毎日が。

「……あれ?」


つい先ほど見送ったはずの車が戻ってきた。

忘れ物でもしたのだろう、と。

羽織っていたストールの上から冷えた肩を摩りながら、近づいてくるヘッドライトの眩しさに目を細めた。

でも。


目の前でゆっくりと止まった車は、真斗のものではなかった。


『月曜日、説明させて』

そんな、一通のメールを思い出して。


どうして。

「明日じゃないの、」と。


運転席の彼に問いかけた。

あまりにも突然のことに、声にはならなかったのだけど。


「突然、ごめん」

驚きのあまり突っ立ったまま動かない私に、運転席から降りてきた福元さんが謝った。


「あの、……」

驚いて跳びはねた心臓が、まだドクドクと脈打っている。


明日、何を聞かされるのだろう。


私の頭はそのつもりでいたから。

てっきり明日だと思っていたから。


「……今日だとは、」


「うん。……ごめん。明日まで待てなかった。
少しでも早く、と思って。来るときに電話はしたんだけど」


「あ。ごめんなさいっ。スマホ、部屋に置いたままで。
今日は、弟家族が。……えっと、さっきまで居たんですけど。見送りして、それで…っ」


きっと、研修旅行から戻ってきてすぐにここへ向かってくれたのだろう。

そう思ったら、胸がいっぱいになって。


「少し、出られる?」

福元さんのその言葉にコクリと頷くと、目の奥がじわりと熱くなった。

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