愛かわらずな毎日が。
昨夜、私の中では解決したはずだった。
でも。
こうして目の前に立たれると揺らいでしまう。
私が出した答えは正しかったのか、と。
だって。
『大丈夫だよ』と福元さんは言ったけど。
こうしてまたやって来た。
どうして。
どうしてまた会いに来るの。
小さな、怒りにも似た感情が生まれる。
私はそれをどう扱えばいいのだろう。
「……あの、」
眉尻を下げた玲香さんが口を開いた。
だから私も。
「きょうは…っ、………会社には戻ってきませんよ」
咄嗟にそう口にした。
「………、」
「…………」
私と玲香さんの横を、ひんやりと冷たい空気が流れていった。
心臓は相変わらずバクバクと激しく動いていて。
おまけに胃までキリキリと痛みだした。
「あの……。今日は、直帰なんです……。
だから、……待っていても会えない、です」
自分でも扱いに困る感情を、ぶつけてしまった。
のどがヒリヒリと痛む。
胸がチクチクと痛む。
できることなら、今すぐここから逃げ出したい。
「………、」
それでは失礼します、とでも言おうかと思った矢先。
「………ごめんなさい」
玲香さんの、ふんわりと巻かれた栗色の髪がパサリと垂れた。
「………ぇ、」
玲香さんが私に頭を下げたのだ。