愛かわらずな毎日が。

キッチンに向かう私の後ろから、パタパタとスリッパの音がくっついてくる。


「こんなに遅い時間まで勉強してたの?」

「うん」

「大変ね」


冷蔵庫を開け、缶ビールを取り出した私。

扉を開けたままプルタブに指を引っかけると、

「みっともない!」

と、妹の声。

母親にそっくりだった。


「なにが?」

振り向いた私に、母親と同じように眉間にシワを寄せた妹が、

「冷蔵庫、開けっ放し!立って飲まない!」

冷蔵庫と私を交互に指さしながらそう言った。


「はい、はい」

言われるまま冷蔵庫の扉を閉める。


「それに。アイス!スプーンで直接食べたんだって?やめてよね、みっともない!
そんなんじゃ、みっちゃんに嫌われるよ?
いつか、ぜーったいにフラれるんだから」


言うことまで母親にそっくり。


なんだか、おかしい。

おかしくて、涙が出そうだ。


「もう、フラれちゃったもんね」

そう言って缶ビール片手にキッチンをあとにした。

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