愛かわらずな毎日が。

会社を出て、みんなのいる居酒屋を目指す。


ドクドクと激しく動く心臓が熱かった。

目の奥も、のども。

熱くてたまらない。


生暖かい空気を胸いっぱいに吸い込んで、それを大げさに吐き出してみたけど。

気持ちを落ち着かせるどころか、堪えていた涙を押し出してしまいそうになる。


泣きたいわけじゃないのに。

悲しいとか、そんな感情だと思いたくはないのに。

ジワジワと、目の奥から熱いものがこみ上げてくるのだ。


福元さんの抱えてるもの、背負っているものの大きさを思い知らされたような気がして、胸が苦しい。


どうしよう。

どうすればいい?


歩いていても、信号待ちをしていても。

福元さんの真剣な表情が頭から離れない。


今まで見てきた福元さんの笑顔で上書きしたいくらい。


なんて。

ばかみたい。


私がどれだけ胸を痛めていても、福元さんの気持ちが軽くなるわけではないし。

私がどれだけ悩んだとしても、福元さんの仕事が減るわけではない。


わかってるのに、福元さんの姿が頭にこびりついたまま。


胸は、苦しいまま。

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