愛かわらずな毎日が。
「遅かったね。携帯、見つかったの?
何度もかけたのに出ないからさ、会社まで見に行こうかと思ってたところ」
赤く染まった頬に手をあてた香織が心配そうな表情で私を見る。
「あったよ」
それだけ言って香織の隣に腰を下ろした。
店を出てからどのくらい経ったのだろう。
テーブルの上に並べられていた料理はほとんどなくなっていた。
「愛ちゃんを迎えに行きがてら、次の店に行こうか、って話してたとこーっ」
真っ赤な顔をした塚田ちゃんは、いつになく上機嫌だった。
「間宮は?どうする?」
中里の吐き出した煙草の煙が目にしみて、私は何度も瞬きしながらテーブルの隅にあったメニューを手に取った。
「行く。けど、もう一杯くらい飲ませて」
お酒の力を借りたら、少しは楽になれるかもしれない。
締めつけられるようなこの胸の痛みを、感じなくなるかもしれない。
「じゃあ、俺も飲んじゃお。
あ、そうだ。FAX届いてた?」
井沢が私の広げたメニューを覗き込んできた。
「………忘れた」
「はぁっ?なんだよ。使えねぇヤツだな」
眉間にシワを寄せた井沢がそう言うと、中里は、
「いつものことだろ」
と言ってゲラゲラ笑った。