愛かわらずな毎日が。

「あ。……あの、私に……なにか?」


「あ、うん。あのさ、」


「は、い……」


なんの用だろうと気にはなるのだけれど。

困ったことに。

福元さんへの気持ちに気づいてからというもの、これまで以上に福元さんの声、姿、表情に心臓が反応してしまって。


「あのさ」の「さ」の息が抜けていく感じとか。

ワイシャツの袖をつまんでクイッとあげる仕草とか。


ものすごく細かいところにも、胸が、きゅうきゅうと反応してしまって。

正直、福元さんがここへ来た理由まで頭が働かないのだ。


ドキドキと速くなる心臓の動きにつられ、手で扇ぎたくなるほど顔が熱くなっていくのがわかる。


これ以上は、まずい。

バレてしまう。


私は慌てて視線を福元さんからロールケーキに移した。


「あ、」


「はい……?」


「……ごめん。やっぱ、いいや」


「え……?」


えっ?

なんで?

どうして?

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