愛かわらずな毎日が。
「ごめんね。手伝わせちゃって」
コピーした資料をホチキスで綴じていく私に、福元さんが申し訳なさそうな表情を見せる。
営業部のみんなは外出していて、この部屋には私と福元さんのふたりだけ。
この状況に緊張しっぱなしの私は、平静を装い、
「気にしないでください」
と応えた。
やわらかな表情をして、ありがとう、と言った福元さんは、その表情のまま視線を手元に落とし、みんなが提出した営業日誌に目を通す。
そんな福元さんの姿を視界の片隅に置いた私は、営業用の資料を一部一部ゆっくりと丁寧にホチキスで綴じていく。
きっかけは、今から20分ほど前のこと。
「コピー用紙のストックって、どこにあったっけ?」
営業部の部屋に足を踏み入れるなり、備品の置き場所がわからなくて、と福元さんが眉尻を下げて言った。
「コピー用紙、……ですか?
………あ。置き場所が変わったんです。こっちのロッカーに。この、二段目です」
「ほんとだ。ちなみに、ホチキスの針は?」
「それなら、ここです」
「あぁ、ここにあったんだ。ありがとう。
あ、それと。ネーム印のインクを補充しておきたいんだけど」
「えっと、インクはこの棚の、……。
……あのぉ。インクの補充、私がやりましょうか?」
「え?いいの?」
「はい。今日はとくに急ぎの仕事もないので。
あ……。もし、他にもお手伝いできることがあれば、遠慮せずに言ってください」
で。今に至る。