愛かわらずな毎日が。
ペラ、ペラ、
ぱちん、ぱちん、
福元さんが営業日誌のページをめくる音と、私の動かすホチキスの音が重なる。
そこへ私の心臓の音が加わると、なんとも言いようのない感情が込み上げてくる。
ドクン、ドクン、ドクン、
福元さんとふたりきり。
今のこの状況を愉しむ余裕は、もちろんない。
息をするのも躊躇ってしまうほど静かな部屋の中、なぜだか目の奥がじわじわと熱くなっていく。
逃げ出したいわけでもないのにソワソワして。
ゾクゾクして。
「このまま、ずっと」
そんな言葉が浮かんできて、胸の奥がきゅうっと締めつけられて。
苦しくて。
ペラ、ペラ、
ドクン、ドクン、
ぱちん、ぱちん、
音の隙間を縫って、まるで息継ぎをするかのようにチラリと福元さんの表情を盗み見た。
「…………ぁ、」
ドクン、と。
胸の奥底で熱いものが生まれる瞬間、私の体がピクリと震え、声にならない声が漏れる。
私の左斜め前には。
あのとき目にした、苦痛に耐えているような真剣な表情は存在しない。
穏やかで。
まわりに漂う空気を、ふわふわとやわらかなものに変えてしまうような。
私の中で生まれた熱を、ぽかぽかと心地よい温度に変えてしまうような。
そんな表情があったのだ。