スノードーム




そんなヨシくんだからか、もてるくせに浮いた話題がない。


というか本人も興味あるのかよくわからない。




「…あ、でも」




ちらっと左側にいる優美ちゃんを見ながら思い出す。


少し前に優美ちゃんが思い切ってヨシくんに番号とアドレスを渡したらしい。


珍しく小さなメモ用紙を持っているなと思ったら、ヨシくんからカンナの友達だよな?と確認された。




「優美ちゃんのはちゃんと登録してたよ」


「……え?」




ちょっと悪戯混じりにそう呟けば、ボッと顔を赤く染める優美ちゃん。


"ほ、本当に?"と確かめてくる優美ちゃんは間違いなく乙女の中の乙女だ。可愛い奴め。


本当だよと返せば優美ちゃんは嬉しそうに、恥ずかしそうに頬を緩めた。




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