スノードーム




「あ、あの…」


「だぁぁぁあああー!!最悪…!」




声をかけようと思い同じように屈もうとすれば、突然勢い良く声をあげた先輩。

あまりの大声にビクッと体が跳ねた。

思わず止まる体の動き。


び、びっくりした。心臓止まるかと思った。


そんな私に気付いていないらしい先輩は、ガシガシと両手で思いっきり頭を掻きながら"最悪だ"と繰り返す。


そして




「…もっと…もっとちゃんと告白するつもりだったのに」




そう小さく呟かれた言葉は確かに私の耳に届いて。

見事に心臓を貫いた。


カッと全身が熱くなる。

ドクドクと音をたてる心臓を自分じゃどうすることも出来ない。




< 180 / 200 >

この作品をシェア

pagetop