スノードーム




「あの…先輩、帰ったんじゃ…?」


「ん?ああ、どうせ帰っても暇だからさ」




俺推薦も決まってるし、と眩しい笑顔をこちらに向ける先輩。


そういえばそうだった。


先輩は大変先生受けがよく頭も良いため早々に受験戦争を離脱していたのだ。


周りからの恨めしそうな視線なんてなんのその。

いつの頃だったか忘れたけれど、確かにものすごい笑顔で俺は自由になった!と報告されたような気がする。


一人そんなことを思っているうちに、先輩は何処からか持ってきた椅子に跨り私がいるカウンターの前に座っていた。


そして




「綾人いると思ったから来ちゃった」




そうやって。

また私が嬉しくなることを言う。




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