スノードーム
お陰で今日は目を腫らすことなく学校に来ることが出来たのだ。
二人には物凄く感謝している。
でも、やっぱり先輩に会う自信はない。
会ったら言わなくてもいいことを言ってしまいそうだし。
それに、泣いてしまうかもしれない。
先輩の前では、泣きたくない。
まだ、泣けない。
それは、この恋を諦めるときだけだと決めているから。
つまり私はあんな場面を見てもまだ先輩を諦められないということ。
「バッカみたい…」
そう零れた言葉は拾われることなく床に落ちた。
今日は会わないまま帰れそう。
しかし、人間とは不思議なもので。
そういうときに限って最後の最後で会ってしまうのだ。