雪人

 ルイは生い茂る草を掻き分けながらエレミールの気配を頼りに歩いていた。足元は相変わらず見えない。転けないよう慎重に歩いていると、ぬめっとした右足の履いているブーツ裏から伝わる嫌な感触に顔を歪める。バランスを崩さないように右足のブーツ裏を、生い茂る草から見えるように上げる。思ったとおり黒いブーツ裏には泥が付いていた。うんざりした表情で足を下ろし、足元にある邪魔で無駄に生い茂っている草を空気中の水分を集め凝固して氷の剣を瞬時に形成した剣で切り取った。露になった地面はドロドロしたような土で、踏めば嫌な感触伝わってきそうなほど見るに耐えない地面だ。それを踏まないように横に避けて歩きだす。が、またしてもぬめっとする感触が体全体に伝わりイラッとした表情になるルイ。手に持っている氷剣でまた生い茂る草を刈り取り地面を見ると、ドロドロした土をルイはまたしても踏んでいた。ルイを中心にして、周囲で生い茂っている草を1m位刈り取ると全てがドロドロした土であった。

「どうしてだ……?」

 不思議そうな表情で思わず言葉を零した。そして、もしかしたらここら一帯がこのような地面の状態なのかもしれないと思い、ルイは氷剣に青白い薄い膜のようなものを纏わせて氷剣を上に向ける。そして静かに言葉を紡いだ。

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