雪人
「ああ、もちろんだエレミールちゃん!源泉の温泉の良さをわかってくれるのか?」

「もちろんよ!効能の凄さは一度入ると病み付きよ!お肌がすべすべ、もちっとした赤ちゃんのような弾力感に、張りのある肌!もう……たまらないわ!」

 熱っぽく語るエレミールに、ミフレは第一印象が余り良くなかったが、初めて同じ趣味を持つ友に出会えたことにより印象が最高点に達する。目を輝かせエレミールを見つめる。

「なんて奇跡的な運命なんだ!アタシ達が出会うことは定められていたんだ!」

「そうね!」

 二人は立ち上がって駆け寄り抱き締め合う。こういう場面でなければ美少女二人が抱き合ってるシーンは見る人がみれば萌えるだろう。だが、ルイにはそんな神経は毛ほどもない。ブゥォオと変な音が聞こえるのを感じながら、憂鬱そうにクシャリと前髪を掴み思ったのだった。
話しが脱線しすぎだろ……



 気まずそうな表情でさっきからルイの様子を窺うエレミールとミフレ。自分の羽目を外した恥ずかしいところを見られたため、エレミールだけが手を組んだり解いたりと落ち着きなく、俯き加減でルイを見ていた。隣に座るミフレにいたっては羞恥心の欠けらすらなく、話が逸れてしまったことにたいしてバツがわるそうにルイを見ている。 二人の向かい側に座るルイは不機嫌顔で目を瞑りただ黙っている。
 二人はお互いの顔を見て、頷き合い、遠慮がちに同時に口を開く。

「……ごめんなさい」

 二人に謝られ、ルイは黙って瞑っていた目を開けた。ルイの瞳から冷ややかな視線が二人に纏わり付くように浴びせられた。そしてフゥと息を吐き呆れたような目へと変わる。

「もう反省しなくていいから……さっさと話を続けてくれ」

「そ、そうだな。じゃあ話を続けるぞ。……あ、その……言いにくいことなんだが、どこまで話した……?」

「………」

 エレミールとの話に盛り上がりすぎて、何処まで話たか忘れてしまったミフレは苦笑いを浮かべ上目遣いに聞いた。それを聞いたルイとエレミールは押し黙る。このままじゃ気まずい空気になると思ったエレミールが、慌ててミフレに耳元でこれまで話した内容を言う。聞き終えたミフレは頬を掻きながら苦笑し、仕切り直してゆっくり口を開く。
< 125 / 216 >

この作品をシェア

pagetop