雪人

「さあ、遅くなったが話の続きをしよう。まどろっこしい話しになると嫌だから簡略すると、アタシ達はここ――アジトから掘り進め、王都グライドアースの西側にあたる貧困街や娼婦館などがある場所へと地下トンネルが繋がったというわけだ。まあ、地盤が少し軟らかかったから一年かかり、やっとのことで半年前に完成したがな。それから何度か王都グライドアースの様子を見たが、一見普通に賑わってるように見えるが、貧困街では食うか死ぬかの水面下で生きてる。とにかくひどい有様だな。あと、戦争をしようとする動きがある……」

「だから、そうなる前に俺たちと乗り込んで、事の原因になった魔導師を倒そう……か。そして、また一からやり直すってことなんだろ?」

「そうなんだ。依頼は受けてくれるんだよな……?」

 ミフレは心配そうな瞳でルイを見た。何を今更というような表情でルイは澄んでいる茶色の瞳を見返す。ルイの瞳から逃れるようにミフレは視線を外した。

「腑に落ちない顔だな。何があるんだよ?」

「ほら、言っただろ……馬車で潜入した男性が処刑されたって。その時、たまたまダントと潜入してて、処刑される場所に立ち合ったんだ。その日は雨で……王都前にある広場で公開処刑されると噂で聞き、急いで駆け付けたんだよ。広場にはたくさんの人が雨の中集まり、処刑台に男の首が置かれた。その時に……見てしまったんだ……魔導師は一人じゃなかったんだよ……」

 あの時を思いだしのか、微かにミフレの体が震えていた。それを聞いたエレミールとルイは驚き、顔を見合わせた。そして、処刑の日の事を詳しく話すようミフレに促しす。
 ミフレは顔を上に向け一つ息を吐き、あの時のことを思い出すように語りだした。

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