雪人

「ん?もうこんな時間か。私の部屋にもう一つベットがあるからそこで寝ていいぞ。それと、風呂も入っていいからな」

「ん、ありがと。ミフレちゃん。……覗かないでね、ルイ」

 エレミールは頷いて、ミフレの部屋へと入る前にルイへと振り返り、悪戯っぽい笑顔を浮かべる。それにルイは苦笑し、自分の胸までしかない身長のエレミールへと歩み寄り頭に手を乗せる。

「覗かないって。それより、今日の早朝に潜入するから寝坊するなよ」

「するわけないでしょ。ルイよりお姉さんなんだから」

「一つ年上なだけだろ。まあいい、じゃあおやすみ」

 エレミールは頭に乗せられていたルイの手が離れるのを名残惜しそうに見る。そして、ルイの後ろ姿を不満そうな表情で見つめた後、部屋へと入っていった。
 ルイはエレミールから離れ、ミフレに歩み寄る。
「なんだ、もうトンネルの入り口隠したのか」

「ルイがエミルちゃんといい感じのときにな。なあ、二人は恋人同士なのか?」

 ミフレの言ったことにルイは可笑しそうに笑う。どこをどうみたら恋人同士に見えるのかルイにとっては不思議だった。その様子にミフレは何故かムッとする。

「どうなんだ?」

「恋人じゃない。ジハードの組織に入ったときからの喧嘩友達みたいもんだよ」

 納得のいかない顔でミフレはルイに視線を送る。その視線をルイは横を向いて躱す。

「まあいいや。部屋はアタシの左隣が開いてるからそこで寝てくれ。じゃあ明日の早朝ここにな」

 そう言って、さっさと自分の部屋へとミフレは戻っていった。残されたルイは疲れたように部屋へと入っていった。
< 136 / 216 >

この作品をシェア

pagetop