雪人
ミフレが処刑の事を話していた同時刻、王都グライドアースのお城にある一室で、薄いピンクのネグリジェを着た腰まである絹のような綺麗な茶色い長い髪をした一人の姫が煌びやかな部屋にいました。部屋には誰が描いたか分からない絵画が飾られ、アンティークの家具が配置よく並べられ、豪華なテーブルに天井にはシャンデリアが吊されている。その部屋へと開け放たれた窓から流れてくる風がシルクで統一されたベットに座っている姫の長い髪を揺らす。冷たい風が長い髪を揺らし、姫の肌理細やかな白い肌に長い髪がかかる。それを気付いていないかのように姫は開け放たれた窓から見える、雲に隠れて薄らと姿を現わした月を虚ろな瞳でたたじっとみている。一見麗しい姫のように見えるが、瞳は濁り何も映していなく、人形のように姫から生気を感じられなかった。トントンとドアをノックする音がして、遠慮がちに扉が開かれた。部屋へと入ってきた人物は白い鎧の擦れる音を鳴らしながら姫の前へと来ると、片方の膝を地面につけ、もう片方の片膝を立て頭を垂れる。姫は膝ま付く騎士を一瞥して、また窓へと視線をむけた。
「姫様、夜遅くにお伺いした事誠に申し訳ございません。ですが姫様、お食事をしっかりとってください。この頃食事をとらないと侍女もご心配しています。それに、お風邪を引かれてしまいますので窓も閉めさせてもらいます」
そう言って騎士は立ち上がり、テラスのある窓へと近づき閉める。そして白いレース付きのカーテンを掛けてすぐに、姫の前に膝ま付く。
「姫様……私――ベルライズがしっかりしていないばかりに城を乗っ取られ、大臣達まで言いなりに……申し訳ございません。」
騎士――ベルライズ――は震える声で自分を責めるように言う。自分が弱いばかりに、こういうことが起こったことに自分に対する憤りを感じると同時に、姫をこのような現状にした元凶に対する憎しみが抑えきれないほど溢れる。ベルライズは唇をギュッと悔しさのあまり噛み締めた。
「姫様、先代の王がお亡くなりになられ、そしてすぐに権力に飢えた大臣達に操られるのを止められなかった私を許してくださいますか?」
「………」