雪人
地上へと続く階段を上るにつれて地響きの音と振動が大きくなっていくのをルイは、険しい表情をして感じていた。
ドドンと継続的に振動がルイの歩いている階段を揺らす。それに足を捕られること無く、確かな足取りで上っていく。漸く地上へと繋がる階段を塞いでいる長方形の石の近くまで辿り着いた。
塞いでいる長方形の石はレッドウルフと思われる奴らの衝撃で罅が入っていた。これだけの衝撃を受けているのに、壊れず罅だけですんでいるところを見ると、何らかの結界魔法がかかっているんだろうとルイは思い、次にする行動を思考する。いくら結界魔法がかかっているとはいえ、このままでは壊れてしまう。なら、いっそ自分がレッドウルフごと石を壊した方が手っ取り早く単純明快。
結論が出たルイの行動は速かった。すぐに、掌に魔力を蓄めて魔法名を紡いだ。
「ブラスト」
集まった魔力がルイの言葉に呼応して、荒れ狂う風の玉へと変化をとげた。それが白銀色の髪を無造作に靡かせる。止まることを知らない風球から発生する風を体で感じつつ、ニヤリと笑ってそれを長方形の石へと投げると同時に後方へと跳び引いた。
当たった刹那、凄まじい音と平行して粉塵と暴風が階段や無残にも壊れた長方形の石から見える地上へと吹き付ける。その吹き付ける暴風から身を守るため、ルイはさがったと同時に発動していた氷の壁の隙間から流れてくる風を苦笑を浮かべ見ていた。後先考えず、一方通行しかない場所で使うには適していない風魔法を使ってしまったことを反省しつつ、氷の壁を解除して砂煙が舞う階段から地上へと出た。
出た先には昼間より不気味さがました風によって森の葉がカサカサ擦れる音に、辺り一寸先は何も見えない闇状態の世界。そう、そこはまさに、魔物達が力を発揮する時間帯であった。