雪人
二体目の攻撃を受けて、レッドウルフが二体だけなのかと疑問付を頭に浮かべる。だが、ずくにその考えを無くした。今度は左右から地面の振動を感じたからだ。
暗闇の中、正面を向き瞳を閉じて耳に意識を集中する。研ぎ澄まされた耳の意識は地面の草木の踏みしめる音がどんどん近付いてくるのを感じた。
パチっと目を開き、後方へとバク転する。その瞬間、前方からと鈍い衝突音まがいの音が反響した。動作が少しでも遅れていたら、自分も巻き添えを食らっていたかもしれない。うんざりしたように顔をしかめてルイは、これ以上増えないだろうと思いたかった。
だが、ルイのそんな思いとは裏腹にレッドウルフの攻撃はこれで終わらなかった。
ルイの上空から更に空気を裂きながら重力の勢いを借りて、踏み潰さんという勢いでレッドウルフが爪を突き立て降ってきたのだった。
ドォンと地面が軽く陥没し、煙が舞い上がり鈍い音が響いた。その音は森の中で木の葉がカサカサと擦れる音に混じり不気味に反響した。
闇の中に舞い上がった砂が白い靄のように漂っている。突然、木の葉の擦れる音が不自然に止む。それは何かを予期しているかのように。
静寂に包まれた暗闇でルイの気怠そうな声が零れた。
「……うっとしいな。五体か……仕方ないか」
諦めたような口調は何処かめんどくさそうな響きを持っていた。
全方向に注意を払いつつ、ルイは掌を上にかざして魔力を集める。その魔力がクルクルと円を描き渦巻いているのを確認し、魔法名を静かに紡いだ。
「フレイムブロウ」
魔力が言葉に呼応して辺りを照らす炎へと変化した。それでもやはり、全てが見渡せる程の光としては弱かった。拳位の大きさをした炎は分裂して幾つもの小さな連なった火玉になる。それが、螺旋階段を昇かのようにクルクルと円を描きながら、ルイの上空へと高く舞い上がっていった。地上から三十メートルの高い位置に来ると上昇するのを止め、円を描いて回っている状態で辺りに薄らと蝋燭の火程度の明かりを放った。それをチラッと見てルイは静かに言葉を放つ。
暗闇の中、正面を向き瞳を閉じて耳に意識を集中する。研ぎ澄まされた耳の意識は地面の草木の踏みしめる音がどんどん近付いてくるのを感じた。
パチっと目を開き、後方へとバク転する。その瞬間、前方からと鈍い衝突音まがいの音が反響した。動作が少しでも遅れていたら、自分も巻き添えを食らっていたかもしれない。うんざりしたように顔をしかめてルイは、これ以上増えないだろうと思いたかった。
だが、ルイのそんな思いとは裏腹にレッドウルフの攻撃はこれで終わらなかった。
ルイの上空から更に空気を裂きながら重力の勢いを借りて、踏み潰さんという勢いでレッドウルフが爪を突き立て降ってきたのだった。
ドォンと地面が軽く陥没し、煙が舞い上がり鈍い音が響いた。その音は森の中で木の葉がカサカサと擦れる音に混じり不気味に反響した。
闇の中に舞い上がった砂が白い靄のように漂っている。突然、木の葉の擦れる音が不自然に止む。それは何かを予期しているかのように。
静寂に包まれた暗闇でルイの気怠そうな声が零れた。
「……うっとしいな。五体か……仕方ないか」
諦めたような口調は何処かめんどくさそうな響きを持っていた。
全方向に注意を払いつつ、ルイは掌を上にかざして魔力を集める。その魔力がクルクルと円を描き渦巻いているのを確認し、魔法名を静かに紡いだ。
「フレイムブロウ」
魔力が言葉に呼応して辺りを照らす炎へと変化した。それでもやはり、全てが見渡せる程の光としては弱かった。拳位の大きさをした炎は分裂して幾つもの小さな連なった火玉になる。それが、螺旋階段を昇かのようにクルクルと円を描きながら、ルイの上空へと高く舞い上がっていった。地上から三十メートルの高い位置に来ると上昇するのを止め、円を描いて回っている状態で辺りに薄らと蝋燭の火程度の明かりを放った。それをチラッと見てルイは静かに言葉を放つ。