雪人
最初にルイへと襲い掛かってきた、前から来るレッドウルフに対し手をかざして、氷壁を展開して対処する。残りの四体は二体ずつに別れてルイの周りを駆けていた。
連携攻撃して来るだろうことは予想の範疇に入れ、ルイは一人ずつ確実に息の根を止めることを決めた。と同時に、ズンッと氷壁に衝撃が走って少し罅が入り、レッドウルフが鈍い音を響かせた。視線をそっちに向け、一撃で倒せる魔法を放とうとすると、それを察知したのか、ルイを邪魔するように二体が飛び掛かってきた。ルイは標的を瞬時に変えて、二体の攻撃を高く跳躍して避ける。手に持った氷剣を牽制代わりにもう二体の方へと投げた。躱したことを見る間もなく襲い掛かるのに失敗した二体が、着地する方を見て、練り上げた両手の魔力を合わせて向ける。そして言葉を紡いだ。
「水に宿りし雷撃は、命の種を摘む災となりて、敵を焦がし尽くす。
エレクトリック・ウォータ」
二体のレッドウルフを呑み込める程の巨大な水玉が上空に出現する。その中に雷が蠢くようにして縦横無尽にバリバリッと電気が走っている。何万、何千ボルトかわからないが、当たれば一発で彼岸にいけるような電力を備えた巨大な水玉は、二体のレッドウルフに急降下していく。着地した直後のため、避けることのできなかった二体のレッドウルフを呑み込んだ。
バリバリィィイ!!
耳を塞ぎたくなるような轟音が鳴り響いた。水に濡れた体に良く通る電気を全身に浴びている二体のレッドウルフに、更に追い討ちが掛けられる。ピカッと、一瞬光に辺りが包まれた後、一筋の光のような雷が巨大な水玉に呑み込まれている二体のレッドウルフに直撃する。ドンっと音が轟き、電気が体の外側から内側へと侵食するように広渡る。
肉の焦げるような音と臭いがルイの脳を刺激して、眉をひそめた。