雪人
明け方の澄んだ肌寒い空気に薄い青空。
三人が並んで歩いていくと、酒場と書かれた斜めに垂れ下がった看板が見えてきた。ルイとエレミールは唖然とした表情で目の前に見えている酒場の外装を見回していた。くすんだ色をしたへこんだ壁に所々に小さな穴が空いていたりと二人の想像していた酒場と異なっていた。貧困街や娼婦館などの近くだから荒れているかもしれないが、ここに来るまでに一度酒場を見たから一層ボロサが二人には際立って見えていた。
唖然となったのも頷ける酒場に何度か来たことがあるミフレがボロい扉をバタンと勢いよく開けて入っていった。
開け放たれた入り口を一斉に酒場で飲んでいる人たちやマスターが挙ってみた。その人物に真っ先に声を掛けたのはマスターがだった。
「お! 穣ちゃんじゃねぇか。久しぶりだな」
鼻のしたに髭を蓄えたマスターがのぶとい声でミフレに呼び掛ける。それを聞いた酒場内にいる人たちが、マスターの知り合いかと納得してミフレが入ってくる前のように酒を飲んで笑い声をあげた。
ミフレはマスターの前にあるカウンターに歩いていき備え付けられている椅子に腰掛ける。
マスターはすぐにジョッキに酒を注いでミフレの前に置いた。そして開け放たれたままの扉を見て口を開いた。
「今日は眼鏡の兄ちゃんはいねぇんだな」
「まあな。二人とも早くこっちに来いよ!」
入り口の前で未だ唖然とつっ立っている二人によく通る声で呼び掛けた。
ミフレので呼び掛けに反応して二人が入った。そしてすぐに酒場内に充満している酒の臭いに顔が歪む。よくこんな臭いを何ともない平然な顔でミフレがいられるのかわからない。二人はそんなことを胸中で思いながらミフレの左右の椅子に腰掛けた。
マスターが腰掛けた二人の顔をじっくり凝らすように見て感嘆するように声を漏らした。
「べっぴんさん達だな」
その言葉がルイの顔を嫌悪するように歪ませ、エレミールはそれを感じ取り顔が引きつらる。二人の表情とは裏腹にミフレの様子は必死に笑いを堪えようと肩を震わせていた。が、すぐに肝を冷やすような鋭い視線を感じ取り、あわててマスターへと誤解をとこうとする。
「マスター! ルイはな、顔が綺麗で女顔だがこう見えても男だ! 勘違いするな」
三人が並んで歩いていくと、酒場と書かれた斜めに垂れ下がった看板が見えてきた。ルイとエレミールは唖然とした表情で目の前に見えている酒場の外装を見回していた。くすんだ色をしたへこんだ壁に所々に小さな穴が空いていたりと二人の想像していた酒場と異なっていた。貧困街や娼婦館などの近くだから荒れているかもしれないが、ここに来るまでに一度酒場を見たから一層ボロサが二人には際立って見えていた。
唖然となったのも頷ける酒場に何度か来たことがあるミフレがボロい扉をバタンと勢いよく開けて入っていった。
開け放たれた入り口を一斉に酒場で飲んでいる人たちやマスターが挙ってみた。その人物に真っ先に声を掛けたのはマスターがだった。
「お! 穣ちゃんじゃねぇか。久しぶりだな」
鼻のしたに髭を蓄えたマスターがのぶとい声でミフレに呼び掛ける。それを聞いた酒場内にいる人たちが、マスターの知り合いかと納得してミフレが入ってくる前のように酒を飲んで笑い声をあげた。
ミフレはマスターの前にあるカウンターに歩いていき備え付けられている椅子に腰掛ける。
マスターはすぐにジョッキに酒を注いでミフレの前に置いた。そして開け放たれたままの扉を見て口を開いた。
「今日は眼鏡の兄ちゃんはいねぇんだな」
「まあな。二人とも早くこっちに来いよ!」
入り口の前で未だ唖然とつっ立っている二人によく通る声で呼び掛けた。
ミフレので呼び掛けに反応して二人が入った。そしてすぐに酒場内に充満している酒の臭いに顔が歪む。よくこんな臭いを何ともない平然な顔でミフレがいられるのかわからない。二人はそんなことを胸中で思いながらミフレの左右の椅子に腰掛けた。
マスターが腰掛けた二人の顔をじっくり凝らすように見て感嘆するように声を漏らした。
「べっぴんさん達だな」
その言葉がルイの顔を嫌悪するように歪ませ、エレミールはそれを感じ取り顔が引きつらる。二人の表情とは裏腹にミフレの様子は必死に笑いを堪えようと肩を震わせていた。が、すぐに肝を冷やすような鋭い視線を感じ取り、あわててマスターへと誤解をとこうとする。
「マスター! ルイはな、顔が綺麗で女顔だがこう見えても男だ! 勘違いするな」