雪人
「なんだと!」
拳に力を入れてミフレが勢いよく立ち上がった。
その様子にはあ、とうんざりしたような溜め息を吐いてエレミールが仕方無しに詠唱する。
「闇に入り込む旅人は自由を失い、出口の無い世界へ。シャットアウト――アイ」
丸い半透明の魔力の籠もった球体がミフレをあっという間に包み込んだ。そしてミフレを中に入れた球体が宙に浮かび上がり、天井につく直前で停止する。
何が起こったかわからず周囲をキョロキョロとミフレは見回している。そして定まらない目線で何やら騒いでいるがルイたちには全く聞こえなかった。
「これで話を円滑に進められるな。で、呼んだ理由は?」
閉じ込めた仲間に対して何事もなかったような口調で、ルイが向かいに座る貴族の女性を話すよう促した。
女性は無表情な顔に少し驚きが交ざった瞳で二人を見る。
「いいの? 仲間にそういうことして」
「いいんだよ」とルイが間を置くことなく言った。
「それより、自己紹介しない? お互いの名前知らないんだし」
宙に浮かんだ球体に閉じ込めたミフレから、エレミールが視線を貴族の女性に移す。
「それもそうね。私の名前はレイディア。レイディア=メイカリヌ」
ソファーから立ち上がりドレスの両端を掴んでレイディアと名乗った女性は、自己紹介した。
続いてエレミールが自己紹介するために立ち上がる。見よう見まねにデニムのスカートをちょんと掴み、本人が優雅だと思う振る舞いでお辞儀をする。
「私はエレミール。エレミール=フィラメント」
「フィラメント……」
エレミールの名字を聞くなり、何処かで聞いたことがあるのか、反芻するように声に出してレイディアが下に俯き加減に考える。
「ほら! 次はルイね」
エレミールが一際大きな声を出して、ルイに呼び掛けた。それは、似つかわしくない不自然に張り上げた声だった。その声でレイディアが考えるのを止めた。
「近くに居る相手に大きな声を出すな」
拳に力を入れてミフレが勢いよく立ち上がった。
その様子にはあ、とうんざりしたような溜め息を吐いてエレミールが仕方無しに詠唱する。
「闇に入り込む旅人は自由を失い、出口の無い世界へ。シャットアウト――アイ」
丸い半透明の魔力の籠もった球体がミフレをあっという間に包み込んだ。そしてミフレを中に入れた球体が宙に浮かび上がり、天井につく直前で停止する。
何が起こったかわからず周囲をキョロキョロとミフレは見回している。そして定まらない目線で何やら騒いでいるがルイたちには全く聞こえなかった。
「これで話を円滑に進められるな。で、呼んだ理由は?」
閉じ込めた仲間に対して何事もなかったような口調で、ルイが向かいに座る貴族の女性を話すよう促した。
女性は無表情な顔に少し驚きが交ざった瞳で二人を見る。
「いいの? 仲間にそういうことして」
「いいんだよ」とルイが間を置くことなく言った。
「それより、自己紹介しない? お互いの名前知らないんだし」
宙に浮かんだ球体に閉じ込めたミフレから、エレミールが視線を貴族の女性に移す。
「それもそうね。私の名前はレイディア。レイディア=メイカリヌ」
ソファーから立ち上がりドレスの両端を掴んでレイディアと名乗った女性は、自己紹介した。
続いてエレミールが自己紹介するために立ち上がる。見よう見まねにデニムのスカートをちょんと掴み、本人が優雅だと思う振る舞いでお辞儀をする。
「私はエレミール。エレミール=フィラメント」
「フィラメント……」
エレミールの名字を聞くなり、何処かで聞いたことがあるのか、反芻するように声に出してレイディアが下に俯き加減に考える。
「ほら! 次はルイね」
エレミールが一際大きな声を出して、ルイに呼び掛けた。それは、似つかわしくない不自然に張り上げた声だった。その声でレイディアが考えるのを止めた。
「近くに居る相手に大きな声を出すな」