雪人
「貴方たちを呼んだのは他でもない、レミィのことなの」
今まで無表情だったレイディアの顔に悲しみが帯びる。
「レミィって誰なの?」
「レミィ=ミュウル=シィーダリス。現王女のことだろう」
すかさずルイが補足する。なるほど、とエレミールが呟いて納得できたらしい。
「俺たちに何をしてほしいんだ?」
何もできないけどな、とはルイには言えなかった。この女性――レイディアにとって現王女レミィがとても大切な人物(ひと)であると表情が物語っている。
「救ってほしいの……」とレイディアが力なく言った。
「具体的に?」
突拍子も無いことを言われ、訝しげにルイが聞いた。
「……わからない……」
「わからないってどういうこと?」
どう救えばいいのかはっきりしないレイディアにエレミールが優しく聞く。
「心が壊れたのよ……ううん、封じたのかな……。だから、どうすればいいのかわからないのよ」
膝に乗せている両手に一滴の涙がポタリと不意に落ちる。
「あ、いけない」
瞳に溜まった水の膜を流さないように抑える。
レイディアが涙を流すとは思っていなかった三人はどうしたもんか、と顔を見合わせた。そして、どうにかしてあげたいとも思った。
「なあ、一つだけ聞くけどどうして俺の通り名を知っていたんだ?」
ルイが脈絡の無い話を唐突に聞く。
「魔導師に聞かされたのよ。殺せ、って命令と一緒にね」とレイディアが顔をしかめて言う。片眉が釣り上がって、不快が表れていた。
「それを実直に行動したのね。逆らわずに」
エレミールの刺のある言い方にレイディアが憤慨したような表情をする。目には怒りが宿った。
「逆らわなかった、ですって!? 何も知らないくせに聞き捨てならないわ」
膝に乗せている両手にギュッと力が入る。
「逆らえなかったのよ。家族を人質に捕られてね」
悔しさに唇を震わせて口を結んだ。
その様子に申し訳ない気持ちがエレミールに生まれる。
「その、軽率なこと言っちゃってごめんなさい」
エレミールは頭を下げて謝る。自分の発言で彼女を傷つけたことに。
「悪気があって言った訳じゃないと思うから許してやってくれよ」
自分のことを心配しての発言のためルイも少なからず責任を感じていた。
今まで無表情だったレイディアの顔に悲しみが帯びる。
「レミィって誰なの?」
「レミィ=ミュウル=シィーダリス。現王女のことだろう」
すかさずルイが補足する。なるほど、とエレミールが呟いて納得できたらしい。
「俺たちに何をしてほしいんだ?」
何もできないけどな、とはルイには言えなかった。この女性――レイディアにとって現王女レミィがとても大切な人物(ひと)であると表情が物語っている。
「救ってほしいの……」とレイディアが力なく言った。
「具体的に?」
突拍子も無いことを言われ、訝しげにルイが聞いた。
「……わからない……」
「わからないってどういうこと?」
どう救えばいいのかはっきりしないレイディアにエレミールが優しく聞く。
「心が壊れたのよ……ううん、封じたのかな……。だから、どうすればいいのかわからないのよ」
膝に乗せている両手に一滴の涙がポタリと不意に落ちる。
「あ、いけない」
瞳に溜まった水の膜を流さないように抑える。
レイディアが涙を流すとは思っていなかった三人はどうしたもんか、と顔を見合わせた。そして、どうにかしてあげたいとも思った。
「なあ、一つだけ聞くけどどうして俺の通り名を知っていたんだ?」
ルイが脈絡の無い話を唐突に聞く。
「魔導師に聞かされたのよ。殺せ、って命令と一緒にね」とレイディアが顔をしかめて言う。片眉が釣り上がって、不快が表れていた。
「それを実直に行動したのね。逆らわずに」
エレミールの刺のある言い方にレイディアが憤慨したような表情をする。目には怒りが宿った。
「逆らわなかった、ですって!? 何も知らないくせに聞き捨てならないわ」
膝に乗せている両手にギュッと力が入る。
「逆らえなかったのよ。家族を人質に捕られてね」
悔しさに唇を震わせて口を結んだ。
その様子に申し訳ない気持ちがエレミールに生まれる。
「その、軽率なこと言っちゃってごめんなさい」
エレミールは頭を下げて謝る。自分の発言で彼女を傷つけたことに。
「悪気があって言った訳じゃないと思うから許してやってくれよ」
自分のことを心配しての発言のためルイも少なからず責任を感じていた。