雪人
先に進んだルイは更に階段を登って三階へと着いていた。ここに来るまで城の兵士どころか侍女すら見当たらなかった。
城を静けさが支配していた。
気味が悪がりそうなものだが、ルイにはそういう神経が存在していなかった。誰も居ないから戦闘もせず楽に行けると、楽観的な思考がすごく働いているからだ。
でも、さすがに不自然なので楽観しできない部分もある。
人の気配が無いということは、もしかしたら殆んどの城に住んでいる者が死んでいるかもしれない。だが、戦争する噂が耳に入ってきている。実行するには相当数の兵士が必要になる。なら、やはり生きているのか……
考えれば考えるほど疑問が増すことに、ルイの眉間に皺が寄った。
予め城の内部地図を頭に入れているので、この通路を左に曲がった先に四階への階段がある。
王城は簡単に侵入を許さないように、入り組んだ場所に階段が設置されている。奥にある王室を守るためと言い換えても良い。
全六階まである四階への階段を上り終え、小さな広間から左右に通路が伸び、正面には大きめの扉が見える。謁見場所へと繋がる扉だ。
ここに来て扉の向こう側に、ルイと比べれば極小さな魔力の気配と強い威圧感を感じる。
それに臆することなく扉に手を掛けてルイが入った。
天井から二つのシャンデリアが伸び、王座が二つ並ぶ謁見広間に正座姿で瞳を閉じている一人の白い鎧を纏った騎士が居た。陽に焼けた顔からは不思議にも思慮深さを感じさせる。
一介の兵士とは訳が違う雰囲気にルイは警戒を強くする。
「私の名前はベルライズ=トリテラス」
武士道精神らしく自ら名を名乗り、短く切り揃えられた茶色い髪を僅かに揺らして立ち上がる。
「俺はルイだ」
正々堂々した相手の姿に警戒を緩める。
「貴公が何様(なによう)で来たのかは知らぬが、お引き取り願おう」
相変わらず瞳を閉じた状態で佇んでいた。腰には二本の剣が腰に携えられている。
「ここまで来て素直に引き下がるとでも」
「勿論簡単に引き下がってもらおうとは思っていない」
腰に携えていた二本の剣のうち一本をベルライズがルイに投げた。
城を静けさが支配していた。
気味が悪がりそうなものだが、ルイにはそういう神経が存在していなかった。誰も居ないから戦闘もせず楽に行けると、楽観的な思考がすごく働いているからだ。
でも、さすがに不自然なので楽観しできない部分もある。
人の気配が無いということは、もしかしたら殆んどの城に住んでいる者が死んでいるかもしれない。だが、戦争する噂が耳に入ってきている。実行するには相当数の兵士が必要になる。なら、やはり生きているのか……
考えれば考えるほど疑問が増すことに、ルイの眉間に皺が寄った。
予め城の内部地図を頭に入れているので、この通路を左に曲がった先に四階への階段がある。
王城は簡単に侵入を許さないように、入り組んだ場所に階段が設置されている。奥にある王室を守るためと言い換えても良い。
全六階まである四階への階段を上り終え、小さな広間から左右に通路が伸び、正面には大きめの扉が見える。謁見場所へと繋がる扉だ。
ここに来て扉の向こう側に、ルイと比べれば極小さな魔力の気配と強い威圧感を感じる。
それに臆することなく扉に手を掛けてルイが入った。
天井から二つのシャンデリアが伸び、王座が二つ並ぶ謁見広間に正座姿で瞳を閉じている一人の白い鎧を纏った騎士が居た。陽に焼けた顔からは不思議にも思慮深さを感じさせる。
一介の兵士とは訳が違う雰囲気にルイは警戒を強くする。
「私の名前はベルライズ=トリテラス」
武士道精神らしく自ら名を名乗り、短く切り揃えられた茶色い髪を僅かに揺らして立ち上がる。
「俺はルイだ」
正々堂々した相手の姿に警戒を緩める。
「貴公が何様(なによう)で来たのかは知らぬが、お引き取り願おう」
相変わらず瞳を閉じた状態で佇んでいた。腰には二本の剣が腰に携えられている。
「ここまで来て素直に引き下がるとでも」
「勿論簡単に引き下がってもらおうとは思っていない」
腰に携えていた二本の剣のうち一本をベルライズがルイに投げた。