雪人
ベルライズ=トリテラスは、この地国で名を馳せる騎士であった。そして、地方の貴族出身者でもある。
彼は幼い頃から騎士に憧れていた。それはこの世界にある月明記(または月冥期)と呼ばれる逸話物語が強い影響を彼に与えている。
その逸話物語の内容を語るとこうなる。
満月の夜に赤ん坊があるお城の前に置かれていた。そこを偶然通りかかったお城の王様が、これも何かの縁だと思い自分が育てることにしたのだった。
そして月日が立ち、赤ん坊は成長して立派な騎士になっていた。
伝承ではその騎士の名前を、満月に因んでレミリアと残している。
更に月日は経ち、レミリアは育ててもらった恩義を感じて王様の近くで守るため、最年少で王宮騎士になったのだ。この時レミリアは、まだ弱冠16歳の少年である。
王様には1人の愛娘がいた。王女マリア18歳。一国の王女ともなれば、嫁がなくてはといけない年頃である。
レミリアとマリアは、幼少期に同じように育てられた幼なじみであり、お互いを思う恋仲でもあった。そのことは2人だけの秘密になっている、が、王様と王妃は知っていた。知った上でそれを許している。もちろんレミリアとマリアはこの事を知らない。
マリアとレミリアがお互いの事を愛し合っているから、このため、王様と王妃は嫁ぎなさいと政略結婚をマリアに強いることはなかった。
それから更に月日が経ち、レミリア18歳、マリア20歳。運命の年を迎えた。
世は戦乱。騎士は戦に駆り立てられる。騎士という道を選んだレミリアも例外ではない。
戦禍は広がり、毎日のように人が死んでいく。いつレミリアが同じように死んでいくかもしれないと、マリアは眠れぬ夜を過ごしたのだ。
そして――運命の日が来た。
レミリアが王様に拾われた日の満月と同じような満月が夜空に浮かんでいる。レミリアの王国は城目前まで攻められ、いつ陥落してもおかしくない状況になっていった。
やがて、味方の兵士の大半が死に、レミリアだけが1人城門を守るように立ちはだかる。それを取り囲む千の兵士。
一人二人、十、二十人とレミリアが鬼気迫る勢いで切り捨てていくが、やはり、一対千という無謀な戦いも虚しく、レミリアの胸に突き刺さる槍が終止符となり、崩れるように倒れた。
彼は幼い頃から騎士に憧れていた。それはこの世界にある月明記(または月冥期)と呼ばれる逸話物語が強い影響を彼に与えている。
その逸話物語の内容を語るとこうなる。
満月の夜に赤ん坊があるお城の前に置かれていた。そこを偶然通りかかったお城の王様が、これも何かの縁だと思い自分が育てることにしたのだった。
そして月日が立ち、赤ん坊は成長して立派な騎士になっていた。
伝承ではその騎士の名前を、満月に因んでレミリアと残している。
更に月日は経ち、レミリアは育ててもらった恩義を感じて王様の近くで守るため、最年少で王宮騎士になったのだ。この時レミリアは、まだ弱冠16歳の少年である。
王様には1人の愛娘がいた。王女マリア18歳。一国の王女ともなれば、嫁がなくてはといけない年頃である。
レミリアとマリアは、幼少期に同じように育てられた幼なじみであり、お互いを思う恋仲でもあった。そのことは2人だけの秘密になっている、が、王様と王妃は知っていた。知った上でそれを許している。もちろんレミリアとマリアはこの事を知らない。
マリアとレミリアがお互いの事を愛し合っているから、このため、王様と王妃は嫁ぎなさいと政略結婚をマリアに強いることはなかった。
それから更に月日が経ち、レミリア18歳、マリア20歳。運命の年を迎えた。
世は戦乱。騎士は戦に駆り立てられる。騎士という道を選んだレミリアも例外ではない。
戦禍は広がり、毎日のように人が死んでいく。いつレミリアが同じように死んでいくかもしれないと、マリアは眠れぬ夜を過ごしたのだ。
そして――運命の日が来た。
レミリアが王様に拾われた日の満月と同じような満月が夜空に浮かんでいる。レミリアの王国は城目前まで攻められ、いつ陥落してもおかしくない状況になっていった。
やがて、味方の兵士の大半が死に、レミリアだけが1人城門を守るように立ちはだかる。それを取り囲む千の兵士。
一人二人、十、二十人とレミリアが鬼気迫る勢いで切り捨てていくが、やはり、一対千という無謀な戦いも虚しく、レミリアの胸に突き刺さる槍が終止符となり、崩れるように倒れた。