雪人
吹き付けてくる突風をクーパはすぐさま石の地面にスコップを突き刺して風を凌ぎ、シュレリアは宙に投げ出され、ルイは足を踏ん張って顔にかかる風を腕で防いだ。
巨大な魔力で出来た円柱から発生する止まる気配がない強風に、ルイの表情が険しくなる。眉をひそめて円柱の中にいるソクラサを見ていた。
ソクラサの詠唱が更にルイの耳に飛び込んできた。
「一塊の巨大な隕石となり――」 この言葉を聞いたルイの目が細められた。もしかしたらとルイは思った。この呪文詠唱は――
「地属性究極級魔法か……」
ルイは吹き付ける強風を受けながら呟いた。そしてどうするべきか考えると、やはり手っ取り早いのはソクラサを殺すことだろう。そうすれば巨大な魔力で出来た円柱も消え失せ、強風も止み、詠唱を中断できる。
そう結論づけたルイは右手に持つ氷剣を下段に構えて握り締めた。そして下から上に高速で振り抜いた。
剣圧から生じた冷気が形作り無数の氷の刄がソクラサに迫る。
しかし、立ちはだかる魔力の円柱に氷刃全てが弾き飛ばされた。 ルイの攻撃などお構いなしに更にソクラサが詠唱を続ける。
「破滅を喚ぶ神罰の如く――」
風が強まり、直接剣戟を与えれる状態じゃないので、ルイは氷剣を地面に突き刺した。
するとすぐに、ピキンピキンと音を鳴らし地面から尖った氷柱が連なってソクラサに迫った。氷柱から発生する冷気と風が交ざり合い、冷風となって辺りに吹き付ける。
しかし、パキンと軽快な音が響くと同時に氷柱が巨大な魔力の円柱の手前で止まってしまった。どうやら、高密度の魔力層に阻まれ下から突き出る尖った氷柱が弾かれたようだった。残ったのはルイからソクラサまでにある一直線上の氷柱だけだ。
吹き付ける強風をスコップを支えになんとか凌いでいたクーパの身体が徐々に浮かび上がっていた。ついには地面から足が離れスコップの持ち手だけを掴み、ぶらぶらとまるで鯉のぼりのように風に身体が揺らされた状態でルイに向って力の限り大声を出した。
「ガキンチョなんとかしやがれ!」
クーパの相も変わらず偉そうな発言を聞き流したルイは先程風に飛ばされたシュレリアが気になり、背後に首を巡らした。
ルイの視界に移ったシュレリアは楽しそうに吹き付ける強風の中舞っていたのだった。
巨大な魔力で出来た円柱から発生する止まる気配がない強風に、ルイの表情が険しくなる。眉をひそめて円柱の中にいるソクラサを見ていた。
ソクラサの詠唱が更にルイの耳に飛び込んできた。
「一塊の巨大な隕石となり――」 この言葉を聞いたルイの目が細められた。もしかしたらとルイは思った。この呪文詠唱は――
「地属性究極級魔法か……」
ルイは吹き付ける強風を受けながら呟いた。そしてどうするべきか考えると、やはり手っ取り早いのはソクラサを殺すことだろう。そうすれば巨大な魔力で出来た円柱も消え失せ、強風も止み、詠唱を中断できる。
そう結論づけたルイは右手に持つ氷剣を下段に構えて握り締めた。そして下から上に高速で振り抜いた。
剣圧から生じた冷気が形作り無数の氷の刄がソクラサに迫る。
しかし、立ちはだかる魔力の円柱に氷刃全てが弾き飛ばされた。 ルイの攻撃などお構いなしに更にソクラサが詠唱を続ける。
「破滅を喚ぶ神罰の如く――」
風が強まり、直接剣戟を与えれる状態じゃないので、ルイは氷剣を地面に突き刺した。
するとすぐに、ピキンピキンと音を鳴らし地面から尖った氷柱が連なってソクラサに迫った。氷柱から発生する冷気と風が交ざり合い、冷風となって辺りに吹き付ける。
しかし、パキンと軽快な音が響くと同時に氷柱が巨大な魔力の円柱の手前で止まってしまった。どうやら、高密度の魔力層に阻まれ下から突き出る尖った氷柱が弾かれたようだった。残ったのはルイからソクラサまでにある一直線上の氷柱だけだ。
吹き付ける強風をスコップを支えになんとか凌いでいたクーパの身体が徐々に浮かび上がっていた。ついには地面から足が離れスコップの持ち手だけを掴み、ぶらぶらとまるで鯉のぼりのように風に身体が揺らされた状態でルイに向って力の限り大声を出した。
「ガキンチョなんとかしやがれ!」
クーパの相も変わらず偉そうな発言を聞き流したルイは先程風に飛ばされたシュレリアが気になり、背後に首を巡らした。
ルイの視界に移ったシュレリアは楽しそうに吹き付ける強風の中舞っていたのだった。