雪人
「おお!以外に戦士だねこりゃ。わしゃの名前かい。わしゃはな、レイドと言う名前なんじゃこりゃ」

 ちょっと驚いた表情をし、独特の喋り方やイントネーションでボサボサ緑髪の男性はレイドと名乗った。

「レイドか…俺はリゼル」

 透き通る水色の髪をした青年はリゼルと名乗り、自身が持っている槍を巧みに回転させ始めた。残像が残るほど回し続けると、槍の中心から風が発生し、リゼルの服や髪が靡く。

「風刃槍」

 風が突風のように吹きつける槍の中心から鋭利な真空の刄が幾つも出現し、相手を切り裂くためレイドに向かう。

「エアカッター」

 レイドは手を前に突き出し魔法名を紡ぐ。真空の刄が同じようにレイドの周りに出現し、真空の刄同士がお互いに当たり相殺し合う。

「螺旋風槍」

 リゼルは槍から発生している風を螺旋階段の様に、槍に風を纏い付け離れているレイドに素早く突く。
 物凄いスピードで螺旋の様に渦巻いている風が辺りに突風の風を吹きつけながらレイドに向かう。

「埒があかないねこりゃ。ブラスト」

 レイドの掌から風を圧縮した風球が放たれる。その威力は普通の風とは違い台風を小さく圧縮したものだ。螺旋の風と台風を圧縮して小さくした風球は衝突する。



バァッフォーーーン!



 爆発音のような音が鳴り響き、二人の業は相殺という形で終わり、その影響の余波で辺りに舞台の石の破片や土埃が暴風によって散乱し、他の参加者が爆風によって場外に飛ばされた。二人はその余波で服をはためかせ、足に力を込めて踏ん張る。
 風が止み、辺りに居たであろう参加者は先程の爆風で五十人程居た人たちが、もう十人足らずまで減ってしまったようだ。それ程までに激しい戦いが繰り広げられたことが誰の目にも一目瞭然だ。
 二人はというと、お互いに視線を交じ合わせながら無言で佇んでいる。
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