雪人

 レイドは槍の切っ先に剣を合わせて受けとめ蹴ろうとするが、それよりも速くリゼルが後ろへと大きく跳ぶ。

「こりゃどうしようかね……おいおいこりゃやばいね」

 レイドはボサボサ緑髪を手で掻きながらマイペースに呟き、リゼルを見ると、詠唱を唱えているのが微かに聞こえ、少し驚いた表情を顔に浮かべ同じように詠唱する。

「神の涙は一粒の光となって、大地に存在する全ての命に断罪の如くのしかかる水圧と成り、生命に終焉を与える。アクアラスプレッシャー」

「浄化の火は闇に染まり、暗く染まった炎となりて、全てを無に還す邪炎は、一塊降り爆炎を引き起こす。フレイムエクスプロージョン」

 先に呪文詠唱を終えたリゼルの言葉に呼応する様に、ありえない光景が闘技場舞台の上空に広がっていた。観客席や舞台にいる一人を除き全員が上空にくぎ付けになり、驚愕の表情を浮かべている者や腰を抜かしている者など様々な人がいる。


上空にあるそれは…



・・・・・・・・・



・・・・・・・



・・・・・



・・・



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舞台全てを飲み込み覆い隠すことのできる巨大な水が、今にも舞台を圧し潰そうと広がっていた。
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