雪人
 レイドはルイの持っている剣に視線を向けながら聞く。

「ルイ君じゃったね。この剣は君のかいね?」

「師匠から貰ったものだけど…それがどうしたの?」

 ルイはレイドに聞かれたことに怪訝そうな顔で答え、聞き返した。
 レイドは複雑そうな顔で少し考え込み、悩んだ末聞くことにした。

「その師匠さんとやらはルイ君、君と同じような銀色の髪の色をした人じゃないかいね?」

「えっ?そうですけど…もしかして師匠のことを知ってるんですか!?」
 レイドはルイの返ってきた言葉で、師匠が誰であるかがわかった。
 ルイは小さいときから師匠に育てられたのにまったくといっていいほど知らないのだ。それに師匠も過去のことを語らない人だから自分からは聞きづらかった。今まで師匠と呼んできたけど本名はなんだろと無性に知りたくなり、レイドに詰め寄って聞く。

 詰め寄られたレイドは苦笑いを顔に浮かべルイを見る。詰め寄ってきたルイを落ち着かせ懐かしそうに語りだそうとした。

「ルイ君の師匠は「ねぇ、私たち三人しか舞台に居ないんだけど」

が、遮られる。
遮ったのは今までずっと黙って傍観していたニーナだった。ニーナは二人の話に腰を折らないため黙っていたが、まわりには自分も入れて三人しか居なくなっていたのに気付き、いつ話そうかと迷っていた。二人の話は終わることが当分無さそうだったから話が長くなる前に遮ったのだった。
 ニーナに言われ、二人は辺りを見回すと誰も居なくなっていた。
と、同時に試合終了のビーーと合図が鳴る。

「終わったみたいじゃね」
 レイドは傍に倒れているリゼルを肩に背負い、ルイに話し掛ける。

「歩きながら話すとしようかいね」

「うん」

「ねぇ、その人どうするの?」

 三人は闘技場控え室に向かって歩いて行きながら、ニーナはレイドが背負っている男性を指差し不思議そうに聞く。

「こいつかいね?放浪の旅に連れていくんじゃよ」

「えっ?この人の拒否権の有無はないの?」

「そんなもんないってことじゃね」

 レイドはワハハと笑い声を上げ、それを後ろからついていく二人はレイドの後ろ姿を呆れたように見ていた。


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