妖恋
妖は人の姿をして、その頭部からは獣耳(けものみみ)又、その背中の腰あたりからは白銀の尾がゆらゆら揺れていた。

「雅嬢っ!」

年上だがまだ大人と呼ぶには早い外見の人間風に言えば男が繰り返し、名前を呼んだ。

そして唐突に少女を抱きすくめる。

「.....!」

そこでおぼろげな意識が
ハッと呼び起こされた。

「......ようく」

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