ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
「なにやってんだよ。女の子なんだからもっと自分の身体、大切にしなきゃだめだぞ」

「すみません」


口角の上がった唇と長いまつ毛の奥に潜むこげ茶色の瞳のせいで、叱っているのに妙に色っぽい。

そんな表情で見つめられたので視線を泳がせていると、こっち向けとばかりに声の音量が高くなる。


「無理なら無理だってちゃんと言えよ」

「世良課長に甘えるわけにはいきません」

「そんなこと言って。西倉にも言ってないんだろ?」

「一番辛いのは西倉さんですから」

「…ったく西倉の奴。なにやってんだよ」

「それは関係ないです。西倉さんはなにも悪くないですから」

「じゃあ、なんでこんなに弱ってるんだよ。西倉がちゃんとお前を守っていなからだろ?」

「守ってもらってますよ」

「そうかな? あいつはなにもしてないよ。ただ手をこまねいているだけ。次の手段をまだ見つけていない。情けない奴だよ」

「そこまで言わなくても……だって今回のことは圧力が大きすぎるんですよ。普通の人は手立てを見失います」

「でも俺だったら……」

「え……?」


昂る感情を落ち着かせるように、世良課長は一呼吸おく。

その張りつめた空気がわたしにも伝わってきて、ドキドキしてしまっているのは、これって裏切りとなってしまうのかな?
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