ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
閉じ込められ封をされていたものが解放されると、とめどなくあふれ続けてくるのは言葉だけじゃない。

今までふんわりと触れるか触れないかの距離感を保っていたものが急にむきだしで向かってくる。


「僕だったら君を守る力も知恵も経験もあるよ。君が求めることをなんだってしてあげられる。我慢なんてさせない」


心ごと持っていかれそうな強い引力。

それくらい強いパワーを秘めていたなんて、どうしてずっと気づかなかったのかな。

絶え間なく降り注がれる視線をかわそうとすれば、次にその声は聴覚を狙ってくる。


「僕のところにおいで」


ふわっと耳に息がかかるように。

甘く切ない声色は無機質なこの部屋いっぱいに旋律を奏でている。


こんな技……仕掛けられたら普通だったら堕ちちゃう。

いつもは隠している姿を晒されると女って弱いもので……

息することも忘れて浸っているわたしがいた。

それが世良課長のテクニックと気づきつつ、どうにも抜け出せない世界観に返事をするタイミングを見つけられずにいた。
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