ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
理事長はヒロくんのなにを気に入ったのだろう?

それに縁談の話しは楓ちゃんが仕組んだことでないとなると、問題がますます深刻になったということになる。


「話してくれてありがとう。縁談の話しは楓ちゃんにもどうにもならないことなんだね」

「……うん。でももう一度ちゃんと祖父に頼んでみるから」

「でもいいの? 楓ちゃん、西倉さんのこと好きなんでしょ? むしろこのまま縁談の話しを進めた方が得なんじゃない?」


こんなことを淡々と言うわたしはなにがしたいんだろうな。

楓ちゃんに泣いてすがってお願いすればいいものを。

こんなときなのに。

変なプライドが邪魔している。

そして再びわたしの瞳は潤み始める。


「夏帆莉ちゃん……」

「ごめん。わたし、嫌な女だよね。でも、わたしはそういう人間なの。楓ちゃんのことを憎いと思ったし、ずるいとも思ってる」

「それは当然だよ」

「本当は渡したくないよ。……ヒロくんが楓ちゃんと結婚したら、たぶん、わたし……」


とうとう涙がこぼれてしまった。

楓ちゃんの前で泣いてしまった。
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