ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
「本当にいいの?」

「秘書が今日は7時には帰宅する予定だって言っていたから」



理事長の亡くなった息子さんが楓ちゃんのお父さんにあたり、楓ちゃんと理事長は一緒のお家に住んでいる。

楓ちゃんのお家である榊原家は和風建築で威厳のあるお屋敷だった。

いい意味で古い佇まいは伝統も感じられる。

広い門構えの奥には日本庭園が広がっていて、その向こうに玄関があった。

おじゃましますと有り得ないほと広い玄関を上がりリビングに通されるとガチガチになりながらソファに座る。


はー……。とうとう来ちゃった。

ねえ、ヒロくん、怖いよ……緊張し過ぎて、口から心臓飛び出そうだよ、冗談抜きで。

手の平に『人』という字を3回書いて飲み込んだ。

こんなことでもしていないと、身体が震えてきちゃいそうで。

でもわたしたちのために頑張らなきゃ、そう言い聞かせていた。


「すごいお家だね。さすが理事長宅」

「そんなことないよ。ひいおじいちゃんの代から住んでいるからただ古いだけ」


楓ちゃんは謙遜して言うけど。

いえいえ、そんなことぜんぜんないですから。

だってこのリビングに辿り着くまでにいくつお部屋があった?

数えられただけでも5つはあったよ。
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