ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
「まあ、いらっしゃい」


ソファで石のように固まっているわたしに朗らかな声が届く。

あれ? もしかして?


「夏帆莉ちゃん、紹介するわ。母です。お母さん、こちらは同じ会社の谷本夏帆莉さん」


慌ててわたしも立ち上がり頭を下げる。


「初めまして。谷本夏帆莉です。突然おじゃましてしまってすみません」

「あら、いいのよ。楓が会社の人を連れてくるなんて初めてだから、すごくうれしいわ。そろそろお夕飯にするから、もう少し待っててね」


お夕飯?

やだ、そんな図々しい真似なんてできないよ。


「とんでもないです! すぐ帰りますから」

「あらどうして? せっかく来たんだし。ぜひ食べていって」

「夏帆莉ちゃん、遠慮しないで。一緒にどうぞ」

「でも……」


呑気にお夕飯を頂ける立場じゃないのに。

わたしの目的をお母様が知ったらどう思うのかな?

お母様から見ればわたしは楓ちゃんの恋敵なんだよ。

楓ちゃんてほんと、人が良すぎるよ。

きっとお母様譲りなのかな?
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