【B】明日は来るから 【優しい歌 外伝】







「……抱いて……」












掠れるように呟いた声。













暫くして……
恭也君が降らす……優しい羽が
私の体をピンクに
染め上げた気がした……。











彼と体を重ねた
最初の夜。














朝……。



私が目を覚ました時には、
もう恭也君の姿はなかった。









裸のまま、シーツを引き寄せて
体に巻きつけると、
ゆっくりとベッドから這い出す。









キャビネットの上、
ポカリスエットと、彼からの手紙。











神楽さんへ





今日は無理しないで。


二日酔いに効くから、
朝起きたらポカリ飲んでください。



お大事に。






恭也













真っ白い小さなメモ用紙に記された
小さな文字の手紙。





その文字の上を
指先で辿る……。












……恭也君……。




















覚えてるわけじゃないけど……
今も残る、
痛みが……
最初の夜の証……なのだと思う。


























ベッドにもう一度座って、
ポカリへと手を伸ばすと、
ゆっくりと恭也君からのプレゼントを
口に含んだ。








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