【B】明日は来るから 【優しい歌 外伝】






大学の講義が終わって、
その日も家に帰ろうとしていた時、
俺の前に姿を見せたのは、
雄矢と勇生。




「久しぶり」



軽く手をあげて、
そうやって声をかける勇生。




「恭也、おばさんは?」



心配そうに、
声をかけてくる雄矢。



「悪いなっ。
 二人にも心配かけて。

 馴れない家事に、
 正直戸惑ってる。

 お前らも、何かがある前に
 家事覚えとかなきゃ、
 後が大変だぞ」


なんてわざと切り返す言葉。





それは……半分本音
……残り半分は……。




同情されたくない気持ちと、
好きなことが自由に今も出来る
二人が羨ましいと思うから。




そんな気持ちに気付かれたくなくて
わざと……言葉を選ぶ。





「少しくらい、
 時間あるだろ」




ほんの少し……。



帰るのが遅くなって、
母親から解放されてもいいか?




そんな気持ちが膨らんで、
二人の誘いに頷いた。






誘われるままに入ったのは、
合コンの会場になってたお店。




そこで、俺たち三人を待ってたのは
神楽さんの同僚。


文香さんと呼ばれた女の人だった。




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