砂のオベリスク~第七大陸紀行~
■いつか光に溢れる世界

旅の日記より








 広い世界をさ迷って、私は今日も、すず色の月の下で眠る。



行き場所は旅に出る前から分かっていた。


ただ、道が分からない。




 いつごろからだろう。


無名の雑誌記者に過ぎない私の身の回りは、だんだんと非日常を帯びるようになってきた。



 そうだ。あの絵だ。


この世のすべての色を溶かしこんだという、幻の絵画。


十重二十重の時代の霧に隠されたそれを追い求めるうちに、私もまた、幻想の世界に踏み込んでしまったのだ。




今ではもう、
妖精の羽音さえ聞こえてくる。
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