砂のオベリスク~第七大陸紀行~
「私の服?」
「ああ、少し気になってね。
ワンピースに裸足だけの旅人なんて、見たのは初めてだ」
「ちゃんと下着もつけてるわよ。
このドレスは、べつに選んだわけじゃないわ。他のが無かっただけなのよ。だって……」
エンが口をつぐんで刹那、大きな影が空をよぎった。
静かな惨事だった。
決して無音ではなかったが。
それは一瞬にして私たちの頭上を通り過ぎ、珊瑚を砕きながら西の方へ墜落したのだ。