砂のオベリスク~第七大陸紀行~






 数本先の木が倒れても、大きな音は上がらなかった。

何もかもを吸い込む美しい渦は、音も逃がさなかった。




「残念ね。分かったわ」



それがエンとの別れだった。




彼女は白銀の尾を引いて木々を跳び渡り、あっという間に見えなくなった。







そして私は、倒れて行く珊瑚の木から投げ出されて、砂の渦に飲み込まれてしまった。






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