砂のオベリスク~第七大陸紀行~





 第一波は、まだ膝を濡らす程でも無かった。しかし引いていく力は強く、運が悪ければ転んでいただろう。


次の波が来る前にエンが動いた。




「あなたの荷物を貸して。私が持つわ。そして、あなたは私を抱えてくれるかしら」

「そんなことをしたら、仲良く波にさらわれるんじゃないか?」

「大丈夫、何とかするわ。水を出す以外にも、やれることはあるの」
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