はだかの王子さま
 





「リンゴ……!
 真衣がむいてくれたんだ」

 うさぎさんの形、と言うワケには、とても、行かなかったけれども。

 なんとか、皮をむいて、芯を取り。

 お皿に盛った状態のモノを星羅の前に出せば。

 星羅は嬉しそうに、尻尾を振った。

「真衣が用意したなら、洗ってくれるだけでも、良かったのに」

 慣れないことをやって、大変だったろなんて。

 普段、何もやってないことがマルバレだったけど。

 星羅が、本当に嬉しそうだから、ま、良いか。

 わたしは、両手の人差し指をつんつん合わせながら言った。

「まさか。
 星羅には熱があるのに、丸ごとのまま、出すワケには行かないと思って……」

 口の中でもごもご言ったわたしに、星羅は、狼の顔をほころばせた。

「ありがとう、真衣。
 これを食べれば、すぐに、熱は下がりそう」

 なんて、星羅はそう言うと。

 さっきよりは、だいぶ人間らしく手の形を変え。

 鋭い爪の先で、器用にツマヨウジを持った。

 そして、見た目は、悪いけど、とりあえず、リンゴのカケラだと判る(はずの)物体を突き刺し、口の中に入れ……目を見開いた。

「真衣!!
 これ、もしかして!!!
 ……0を使った!?」
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