はだかの王子さま
「えっ……!
 その……判る?」

 リンゴを一口食べた途端、星羅には、判ったらしい。

 なんだかすごい剣幕で叫んだかと思うと、わたしの手首をつかんでぐぃ、と力任せに引き寄せた。

「わわわわっ!
 ちょっと、何……っ!」

 今まで、付き合った長い時間の間で、星羅がわたしに、こんな乱暴な真似をしたのは、初めてだった。

 かなり、怒っているらしい星羅は、わたしの手首を、ひとまとめにしてつかむと。

 もう一つの手で、強引に、わたしの両手の指を開かせる。



 やだ……っ!



 なんだか、星羅が怖い……



 0には触るな、とお父さんに言われてたのに。

 触るどころか、勝手に使っちゃったのが、まずかったのかしら……?

 半分パニックになりながら。

 ワケも判らず、ただその迫力に押され。

 とにかく、一度謝ろうと口を開きかけた時だった。

「星羅、ごめ……」

「良かった……っ!
 真衣の手!
 ほとんど、無傷だ……っ!」

「……え?」

 言って、星羅は、驚いているわたしの手を、そっと自分の頬にあて、ココロの底から、ほっとしたような声を出した。

「0を使うなんて、無茶なことを……!
 真衣の指が、欠けてしまったかと思っ……た……」
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