はだかの王子さま
『俺様がついていながら、てめーに怪我をさせたってバレてみろ!
 何もしてなくても、フルメタル・ファングに、睨まれるだろ!
 そのリンゴ貸せ!
 ゼギアスフェルのためになんて不本意だが、この俺様がむいてやる!』

「やだもん!」

 ふわっと、食器籠から浮いて来た0から、リンゴを庇って、わたしは、一歩下がった。

「これは、星羅のために『わたし』が、むくの!
 0さんが全部むいたら、意味ないでしょうが!
 もし、0さんが、手伝ってくれるなら。
 わたしに、普通の菜っ切り包丁みたいに、使われてよね!」

『はぁ?
 てめ、自分がナニ言ってっか、わかってるんだろうな?
 俺様が嫌だ、と言ったのに、もう一度やれ、と言ったんだぞ?
 てめーは、所有者でもないくせに、この俺様に命令を下す気か?』

「命令なんて、大げさな!
 わたしは、さっきから、お願いしてるだけでしょう!?
 0さん、協力してくれないなら、良いもん!
 わたし、なんとかピューラーさん捕まえて……!」

『だ~~!
 判った判った判った!
 この、頑固者~~』

 0は、そう叫ぶと食器籠からゆっくり浮き上がり、わたしの手元に飛んで来た。

『……仕方ねぇ、使われてやるよ。
 かなり不本意だが、これ以上怪我をされたら、俺様が困る』
 
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