はだかの王子さま
「な……何よ! 大げさね……」

 本当はそう言って、笑いとばそうと思った。

 けれども、星羅の様子に、わたしの言葉に力が抜ける。

 だって、とても、真剣だったから。

「0は、現在存在する『魔剣』の中では限りなく最強で最も凶悪な剣なんだよ。
 切れないモノは、ない(0)って噂のその鋭い切れ味もさることながら。
 機嫌を損ねると、誰の手にも負えなくて、不用意に触って大けがをした人や死んだかした人が何人もいるとか。
 従うと自分が認めた歴代の所有者でさえ。
 ことごとく『0』に自身の闇を引きだされ、呑み込まれて自滅してゆくっていう悪魔の剣なんだ」

 う~~ん。

 それは、いくらなんでも言い過ぎなんじゃないかなぁ。

 わたしの手が傷つかないように、とても気を使ってくれたし。

 気疲れして、一抜けた、と言ったくせに。

 ピューラーさんで怪我したら、ぶつぶつ文句を言いながらも、最後までリンゴの皮むき、手伝ってくれたし。

 そもそも、そんなに危ない剣ならお父さんは、『真衣は、触るな』の一言だけで、食器籠に放り込んで行かないと思う。

 よっぽど、わたしが変なことをしない限り、0は何もしないって、信用してたんじゃないかな?

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