はだかの王子さま
「幻想と魔法。
 そして、夢の世界にようこそ。
 僕は、フェアリーランド白薔薇宮殿のセイラ・オウジ。
 人工島キングダム・リゾートの主(あるじ)です。
 今年のフェアリーランドのテーマは、メガネを使わない3D映像プラス1。
 リアリティを追求した、世界初の映像革命です。
 みなさん、お楽しみいただいてますか?」

 そう、高らかに自己紹介する、お父さんに。

 ぼんやりしていたアナウンサーが、ようやく自分の仕事を思い出したみたいだった。

 他のスタッフから放り投げるように渡された、予備のマイクを、ひったくると、叫んだ。

「キングダム・リゾートの主、って!
 あなたが、この騒ぎの責任者なんですか!?」

「はい」

 星羅の姿をしたお父さんは、あっさり頷くと、まるで、無邪気な子供のように笑った。

「騒ぎ、なんて大げさな。
 僕たちは、毎年恒例の、フェアリーランド、ゴールデンウィーク特別企画の宣伝をしているだけですよ」

「あなたは、コレを、ただの、リアル過ぎる3D映像だって、言い張るんですか!?」

「ええ、そうです」

 まるで、悪びれることもなく。

 しれっとお父さんは、答えてたけど!

 どう見てもコレ、が映像には見えない。

「でも! あなたは、ここに来る時、巨大な竜に乗って来ましたよね!?
 ただの映像に、そんなことが出来るんですか!?」

 至極もっともな、アナウンサーの質問に、テレビ画面の中のセイラは、笑う。
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