はだかの王子さま
『俺達は、フルメタル家の当主の言葉に従い、どんな命令でも自分の感情に左右されず、確実に任務を遂行してみせよう。
 それは、すべてフルメタル家当主のためだけに。
 だから、嬢ちゃん。
 あんたは、今後、絶対。
 一度命令したことを撤回してはならない。
 こっちがどんなにイヤで、理不尽だと思っても、ただ、あんたの言葉のためだけに命をかけるのに。
 その、全てのよりしろである、俺達にとっての『絶対』である言葉を無いものにだけはしないでくれ。
 そして、一度行ったら二度ともとに戻らない命を奪うこと、みたいな命令は、特に気をつけてくれ』

 言葉とはそれだけ重いのだ……と。

 美有希の瞳を覗き込むようにして真剣に頼むハンドの言葉に、美有希の目からますます涙があふれた。

『ごめ……なさ……い……
 あたし……あたし……』

 美有希の想いは、完全には言葉にならず。涙にかき消されてしまったけれど、ハンドには伝わったみたいだった。

 彼は、満足げにほほ笑むと、改めて美有希の前で片膝をついた。

『ここで、さきほど王の目前で前フルメタル家当主、ファングさまからフルメタル家当主の座を正式に受け継いだローザさまにお願いがあります』

 また、今までの様子がウソだったかのように。

 突然態度がもとに戻ったハンドに、美有希は、涙の目を瞬かせて、ハンドを見た。

『な……なに?』

『前当主、ファングさまは実は、たった一つ。
 無期限で守るべき絶対命令をシャドゥ家全員に出されています、それを姫が今後引き継ぐかどうかを、早急に決めていただきたいのです』

『早急って……』

『はい。出来ることなら、今すぐ、火急に』

 
 
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