はだかの王子さま
 大きな目から涙をぼたぼた流し。

 鋭い爪のついた手は、恥ずかしいって言ってるか、もしくは叩かないで、って言ってるみたいだ。

 震えながら、自分の頭を抱えてる。

 そんなゴブリンは、星羅に首根っこを掴まれて、まるで、イタズラが見つかってしまった、気の弱い、でっかい猫みたいだ。

「判った……判ったわよ!
 星羅、可哀想だから放してあげて」

「……真衣は、怖くないの?
 さっきまで、本気で震えてたのに、この手を放して、部屋に逃がしても大丈夫?」

 そう、改めて聞かれて、わたしはゴブリンをしげしげと見た。



 ……うん、平気だ。



「……どうやらわたし、幽霊みたいに、透明感があるモノ以外、平気みたい」

 ゴブリン、なんだか見た目は、一瞬凶悪だけど。

 固そうでも、毛皮着てる生き物だし……

 ライオンみたいに、シュッと長く、先の方がふわふわの尻尾を触ったら暖かかった。

 ぎょろんとした大きな目と、耳まで裂けた口がコワいその顔を、良く見れば。

 子ども向けのアニメに出て来るような、妙に人間くさい猫っぽい顔だ。
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